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ビートとアザラシは本来結びつかない

16ビートアザラシフェスの打ち上げの帰り、三角公園に向かう道中、SAPPYの樽本君はこんなことを言っていた。

「この歳になっても夢を追えるのは幸せなことやな」

一言一句は違うけれど、だいたいこんなことだったと思う。あんまり覚えてないけれど。

先週末、こんなイベントを主催した。

なんやねん16ビートアザラシって。とか思いながら、とりあえずできることを必死にイベントに詰め込んで、「僕らがライブが良いと思うバンド」という軸だけはぶらさず組み立てていた。おかげでなんとか形になった。ひとえにみんなの優しさのおかげだ。お客さんも、バンドも、スタッフさんも。

このイベントの大トリと言う形でEmu sickSが出させてもらい、アンコールの際のMCで「全国流通盤出します!」と大勢の人の前で言ったのだ。

すると、祝福してくれたり、泣いてくれたりしている人がいた。

確かにそうだよな。Emu sickSは結成してなんだかんだで8年以上経っている。

このイベントで色んな人が集まってくれた。昔からの知り合いもいるし、最近見に来てくれるようになってくれた人も沢山いる。僕らと箇所箇所で繋がって色んな歴史を背負った人が、一つの場に集っていた。

MC中だったけれども、なんだか結成当初のことを思い出したりしていた。「飛行船」というEmu sickSの4人が所属していた大学の軽音サークル、壁がよく結露する部室、だらだらとすごしていたベンチ、あの当時のこととか。お酒とか。お酒とか。

その時はそんなことをほんのりと思い返していただけだったけど、話は戻って「この歳になっても夢を追えるのは幸せなこと」という言葉を今更噛み締めている。

周りはどんどんバンドを、音楽を辞め、辞めてはいなくても一線を退き、同世代は減っていく。でも、それは悲しくはなく、自然なことだ。その人の選択を咎める権利は僕にはないのだ。

僕らはまだ、バンドに、音楽にしがみついている。諦めが悪く、たちが悪い。たちが悪いから、この歳になって、今更になって、全国流通盤を出すことになった。それって素敵なことなんだろうか。意固地になっているだけなのだろうか。無駄なあがきなのだろうか。色んな感情が下腹部をぐるぐるまわっていたせいでずっとお腹の調子が悪かった。

でもあがいてもいいよね。喜んでくれる人がいるなら、と思う。買って、聴いてくれることで僕らはまだなんとなくバンドをつづけることができる。

バンドをやり続けていて、知り合いが増えた、友だちが増えた、好きな人も嫌いな人もしんどいことも増えた。全部ひっくるめて毎日楽しい。これからも楽しいはず。だから、これから出す音源は、しっかりと売りたい。これからバンドをしっかりやり続けるために。

きっと16ビートアザラシフェスは来年もやるし、16ビートアザラシコンピは来年も作る。みんなも楽しんでくれたら嬉しいな、という独善的な考えで動いているけれど、それはそれでいいのだ、と開き直ってもいる。16ビートを刻んでいる間に人生は明るくなってきた。

そういや、メランコリック写楽のノモトくんからこんなメッセージが送られてきた。

だから僕はノモトくん推しだし、16ビートはやめられないのである。

そんな感じ。


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