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夜明けは訪れるのか(4)

Emu sickS初の全国流通音源『夜明け前のジーニアス』が10月25日に発売されます!やったー!!

(アザラシだって予約できちゃう)

Emu sickS初の全国流通盤を記念してブログを書いたら、気がついたらバンドの歩んだ道を振り返っていた。

前回は2012年、大学を卒業してからばらばらになったメンバー4人は劇的に活動ペースが落ちたところを書いた。ペースが落ちながらも新しい人に出会い、そしてこれまで良くしてくれた人に助けられていた。

メンバーの半分が社会人、あと半分が大学院生を1年過ごし、だいぶ並行してバンドを続けていくことにもこなれてきた。けれど、まだまだのんびりしていた。焦れよ、自分達。

FANJのこんぼいさんから「2013年4月6日にプログレヒップホップバンド」なるバンドがFANJに出るけど、出ない?っていわれた。

それが、ゲスに極み乙女。だった

僕は「ぷろぐれぇ?へんななまえのばんどー!」って感じだった。

ところがどっこい出演OKした後、彼らが伊集院光のラジオに紹介されて火がつき火事になり業火になった。

彼らのPVの再生数がグイグイ伸びていった。

僕らは「これは事件だ」と言い合った。こんなグイグイ来てるバンドと対バンすることになるなんて…!と。

なんだか大変なことになってきた。こんぼいさんからメールが来た。当日のタイムスケジュールだ。

【出順】

FIZZ→THE MY HALLEY→QOOLAND→Emu sickS→ゲスの極み乙女。

トリ前、ゲス前QOOLAND後。「こんぼいさん僕らをこんな位置に置くなんて、こんなところでパンク精神みせんでいいねん!ばかか!拷問!!」と思いながら、内心ありがとうと思いつつ、半分はこんぼいさんを良い意味で恨んだ。予約数がどんどん増えていく。

イベント当日、絵音さんはスペシャの袋を持って楽屋に入ってきた。そりゃそうだな、売れてるもんな、と心で納得していた。何故か彼らはサザエさんの話をしていた。そりゃそうだな、売れてるもんな、と心で納得していた。

僕は持ち前の人見知り精神を活かし、聞き耳を立てるという特技にのみ注力し、彼らのなんでもない会話を拾っては「そりゃそうだな、売れてるもんな」と刻み込んでは飲み下していた。こんぼいさんは明らかに狼狽する僕らを見てニヤついていた。

イベントが始まった。人が吸い込まれるようにFANJに入っていく。うそ、すごい、人がたくさん。知名度皆無の僕達まで売れてるバンドっぽいと錯覚した。

僕らの出番の前のQOOLAND。うますぎる。足が震えた。

僕は楽屋近くにあるライブの様子を写すテレビをみていた。ふらーっと、いこかさんがきて「上手いねー!」「すごいですねー!」とか他愛もない会話をしていた。

僕らのライブは、あんまり覚えてない。ただ、沢山の人前で初めてできたこと、うしろまでギュウギュウのライブハウスを演者の視線から見ると、こんななのかと初めて知った。あれみたい、いいとものテレフォンショッキングで観覧席が映るシーン。「そうですねー!」って皆が言う所みたいな、あの感じ。

同時にライブに対して、全力は尽くしたけれど、僕ら本当まだまだだなっていう悔しい気持ちが強かった。もう、悔しかった。当時できる自分達の限界がこれだった。勿体無い。

ライブ後の気持ちを引きずりながら、ゲスの極み乙女。のライブをみていた。サザエさんの曲を入場SEにして入ってきた。「そりゃそうだな、売れてるもんな、なにしてもいけるよな」と思った。いいライブだった。

ライブ後、ゲスの極み乙女。の物販が爆裂していた。僕らはそれなりにしゅんとしていた。とある人物が話しかけてきた。

「大阪にこんないいバンドが埋もれているなんて知りませんでした。こんど名古屋にライブしにきませんか?」

この男がちょこたんさんだった

この後僕らはちょこたんさんの企画で初めて名古屋の土地でライブをすることになる。

こうして数珠つなぎのように、連鎖反応のように、少しずつ少しずつ活動が広がっていくことになる。なにかきっかけを求めて、蜘蛛の糸をつかむかのような活動をしていた僕たちは報われた気分になった。

ちなみに打ち上げでは休日課長が腹太鼓を叩いていた。それなりのビートだった。

仲の良いFIZZというバンドのドラマー、ちりりんさんという今や化石となった人物は、「やっぱりオレが一番ドラムうまい!にゃはは!」と笑っていた。いつもどおりのライブの光景と、そうでない光景が打ち上げで入り乱れていた。

こうして収穫は大きかったものの、目の前のすごいバンドを前にして僕達の実力の無さを思い知ったのであった。これがなければまだまだのんびりライブしていたんだろうなと思う。

Emu sickSの中で、誰も何とも言わないけれど、なにかが変わった日になった。

そして、活動の幅が連鎖して広がっていくのである。

次回に続く。

Emu sickS 16ビートはやお


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