果たして夜明けは訪れるのか
夜明け前のジーニアスという、Emu sickS初の全国流通音源を出す前に、これまでの結成からの流れを振り返るブログを書いた。そして、明日はそのツアーファイナルを控えている。
ツアーの感想とかは、また後日に書くとして、今回ツアーを回って余計音楽が好きになった。それは紛れもない。
なんだかもう、飛び越えた気がする。一生聴ける音楽だって、その時の楽しさを追求するあまり消耗品になってしまっている音楽だって好きだ。
音楽はかくあるべき論が音楽を育て、時に音楽を狭めることだってありうる。
ただ、僕はどっちかというと、一生聴ける音楽のほうが好みだなーって思うだけ。
今回、数奇な運命なのかなんなのか、ツアーファイナルで共演するバンドは、一生聴けるバンド。不思議な気持ちでいっぱいだ。
ナードマグネットは2012年に初めて会ったバンド。ふじーさんがサポートで加入していて、本加入したときの企画のライブも見に行った。
お互い大阪インディーズの端くれでくすぶっていたし、ライブ終わりに深夜まで管を巻いて飲んでいたこともある。
不思議なもので、ナードマグネットがいい感じに全国で闘い出した後も今も、会えばあの時の空気になる。根っこはなにも変わっていない。
須田さんはよく「Emu sickSとモケーレムベンベは、もう、本当に、報われてほしい。Emuはもう、俺らの数年前の姿を見ているようだ」という。
地を這ってでも追いつくからな。追いついてもっと一緒に闘いたい。それは、2012年から変わっていない。
Emu初めての企画に出てくれた大事な先輩、こうしてツアーファイナルでも出てくれるのが、どれだけ嬉しいことか。たった数年でバンドが出ては消えを繰り返す荒波の中で、お互い変わらず腐らずやってきたのだ。そのセーブポイントのような、ツアーファイナルだ。
結成時期はほぼ一緒。なんだか見た目にシンパシーをずっと感じずにはいられなかった。
しかしながら、今年に入って彼らに大事なイベントであるみそフェスに呼んでもらった点以外での接点は、一度のみ。それも、栄の日本一小さいライブハウスであると豪語するハコで、キーボードのマイケルさんソロと一緒したことくらいだ。
ずっと気になっていた。同じ時代を過ごし、闘う彼らを。共通する音楽体験がたくさんあるはずだ。僕は大学生になり、大学院生になり、社会人になり、それでもバンドを続けていたけれど、その間も彼らは本気で闘っていた。でも交わることがなかった。
ようやく、こうして一緒することができる。それもこれも、Emuの周りの皆が、ずっとジャブのように、みそっかすのみんなに何かしらアクションを起こし続けてくれたからだと、勝手に思っている。ジャブをうち、刷り込みのようにバンドを吹き込み、何かの因果でツアーファイナルを一緒にすることになった。
一生聴ける音楽が集まっている日になる。ファイナル。
Emu sickSの夜明けは、果たして、訪れるのだろうか。