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新しいバンドを組みました。ZOOZと言います。

  • 16ビートはやお
  • 2019年5月6日
  • 読了時間: 9分

どうも、16ビートはやおです。

発表ありましたとおり、新しいバンドを始めます。

名前は「ZOOZ(読みはズーズ、ズウズ、ずうず、お好きにどうぞ。)」

ZOOZを組む経緯について、ちょっと長めに書けたらなと思います。

ZOOZ結成のきっかけは勿論Emu sickSの活動休止にあります。

なので、まずはEmu sickSの近況について簡単に。

2019年1月12日をもってEmu sickSは活動休止しております。

 (1月12日の様子(撮影:阪東美音))

活動休止は、僕が脱退を申し出たことに端を発するのですが、実際に活休してから今4ヶ月ほど経って、徐々に振り返ることができるようになってきています。

活休ライブの日、打ち上げの席で「参加者の中に打ち上げ代を払っていないやつがいるかもしれない問題」が発生し、笑いながら「あいつじゃねえかとか」めちゃくちゃ無責任に話し合っていたのが4人だけで話した最後なんじゃないでしょうか。あれ面白かったな。

活休後、メンバー全員が集まって何か話す、ということはしておりませんが、ライブハウスで顔を見かけたり飲み会の席で一緒になったり、ぽろぽろと遭遇しております。これといって能動的に会っているわけではありませんが。

今まで必ず週1回は会って練習をし続けて10年が経ち、ある種「生活」に組み込まれていたのですが、休止してからあっさり会わないもんだなとも思いつつ、活動中もメンバー個々人のプライベートには一切首を突っ込まないEmuらしい関係なような気もします。メンバー全員元気に生きていればなんだか安心って感じです。

Emuに関してはそんな感じで落ち着いております。

そして僕個人に関しては、ドラムを辞める気はなくて、色んな形態でドラムの活動もできそうなのですが、「バンド」という形態でドラムを叩きたいなという気持ちがうずうずと存在し続けていました。

バンドが放つ化学反応が大好きな自分がいて、そんな自分を裏切ることもできず、活休を発表した後、懲りもせずバンドを組む動きを始めました。

ただ、Emuが止まるから新しいバンドを組まなきゃ!という焦りのみで動いたわけではなく、新しいバンドを組むなら、ずっとやりたいなと考えていたジャンルがありました。

それが「ポストパンク・リヴァイバル」でした。

大学生の頃、Arctic MonkeysやFOALS、Franz Ferdinand等を聴いて、音楽で頭を突き抜かれたような感覚になりました。そこからずぶずぶと音楽沼にはまっていくわけですが…。

大学生で第二の音楽的原体験みたいなものを経験して、僕が「かっこいい」と思う基準に「ポストパンク・リヴァイバルのサウンド」が深く刻まれたし、大学の楽しい思い出と不可分に結びついているわけです。

あれからそれなりに時が経って「ジャンル的にはもう古いかなー」なんて思っていましたが、ライブハウスで日々繰り返される、ジャンルを自分のフィルターに通してアウトプットした時に放出されるオリジナリティに痺れ、強く憧れを抱くようになっていました。(多分MISOJI CALLINGでCHAIを見たときくらいからそんなことを強く考えるようになっていた)

ただ、当時の僕のアウトプット先は「Emu sickS」であって、ポストパンク・リヴァイバルではありませんでした。Emuに全力を注ぎながらも、なんとなくポストパンク・リヴァイバルへの思いは片隅に存在し続けていました。

折しもEmuの活休が決まったときに、偶然かはたまた時流の産物か、2010年代後半に停留していたようにみえたポストパンク・リヴァイバルの波が、2018年に入ってから俄かに動きだし、円熟期へと突入したように見えました。(関係ないけど最近FOALSが出したアルバムがマジでかっこいい)

(Foals 『White Onion』)

僕の中でポストパンク・リヴァイバルへ熱が再燃し、「あ、もしかしたらこれは、今やるときなのかもしれない」と思った。そういう意図のもと、頭の中で目指すべきかっこいいサウンドを妄想し、秋頃ある人物に久しぶりに飲みに行きたいと連絡を取りました。

それが、The biensのユウヤさんでした。

The biensは、2014年の始動当初から2016年の夏頃まで僕がサポートでドラムを叩かせてもらっていたバンドなんだけれど、ポストパンク・リヴァイバルをするにあたって、ユウヤさんは絶対的に必要なセンスと経験の持ち主だと思っていました。

特に僕がThe biensを脱退してから出来た「FUTURE」という曲は名曲。この曲を聴けば僕が声をかけた理由が詰まっている。飲みに行った時もこの曲の話をした。

(The biens『Future』) 

Emuの活休を公にしていたこともあり、僕が久しぶりに連絡した時点でユウヤさんは察していました。The biensのこともあるし、当時ユウヤさんはB.R.Barでイベントを組みまくっていたから果たして良いのだろうかと思っていたけれどOKしてくれて、結果的に音楽性の核ができた気がしました。少しの間だけどビエンズで苦楽を経験させてもらっていたこともあり、「わかる」方がいることで宙ぶらりんになっていた僕は心底安心した。

その数日後、唐突に僕はジョーザキ君に連絡しました。 なんだか、新バンドをするにあたって彼の事がずっと引っかかっていました。

それは半分くらい直観的なものだった気がする。

彼と初めて対バンした2015年のこと、ミスタニスタはライブの演奏中にシバガキ君以外がビールを買いに行く奇天烈なバンドだったこと、一緒に福岡と東京にライブしにいったこと、東京からの帰りは雪が酷くてシバガキくんがずっといかり肩で運転していたこと、ウエムラくんはずっと寝ていたこと、ミスタニスタが活休する連絡を受けた日のこと、ULTRA CUBが始まって家で彼らのMVをぼんやり眺めていたこと、Emuのサポートでベースを弾いてくれたこと、なんだか酔っぱらってアメリカ村の銭湯で二人夜通し話していたこと、ミスタニスタが復活したこと、恐らくそういう出来事が彼の人となりや、センシティヴさや音楽に対する姿勢やもがきを僕の中で浮き上がらせていました。

 (ミスタニスタ『明日が怖くて何が悪い』)

そういった事項が全て僕の頭でリンクして、「ジョーザキ君に連絡しろ」と脳が指令を下したのかもしれない。なんだかわからないけれどいつか一緒にバンドするんだろうなって思っていた。

彼はとても忙しいのに前向きな返事をくれた。僕の直感は正しかった。てか超忙しいのにOKするところがまた、彼らしいなと笑った。ジョーザキ君とユウヤさんは初対面になるのだけれど、同時に彼らなら大丈夫だなとも思った。

最後に声をかけたのがThe Stone That Burnsのアベさんだった。

10年バンドやっていると、色んなタイプのギタリストに出会う。

アベさんはその音楽的造詣の深さ、彼の中で貫かれている音楽的信念、そしてあの体格から、僕は自然の偉大さに抱くような畏怖の念を抱いていた。え、言い過ぎ?いや、でも事実なんだよ。

2013年にFANJで対バンし、2014年にTWICE CAFEで2回目の対バンをした。

(The Stone That Burns『videogame』) 

以降、歩む音楽性は異なるものの、根っこの音楽的質感というか、目指したい音楽の精神性みたいなものは近いなぁと思い続けていたので、Emuの企画にも要所要所でよく出てもらっていたし、そのたびにそういう話をしていた気がする。ジャンル的に異なる部分もあり、能動的にいかなきゃ対バンする機会は少ないけれど、並行して努力し続ける盟友みたいな感じだった。

TSTBのライブを見るたびに背筋が伸びるというか、そういう思いもあって、端的に言うと「一緒にバンドしてくれるはずがない」と思っていた。だから僕は怯んでいた。

最後に声をかけたのが良かったのか、アベさんは「僕がやりたいと思っている音楽」「今決まっているメンバー」を基に、どんな感じでできそうかの見通しもつきやすかったみたいだった。さすが音楽に生きる人は話が早いし、興味の湧き方もレスポンスも「こうでなきゃ!」というツボを押さえてくれていた。僕自身が根っからの「副部長気質」なので、アベさんのような人物の存在がいると非常に頼もしい。

そんな感じでユウヤさんに連絡してから京都でこの4人で集まって飲みに行くまでの間、約1ヶ月くらいの出来事でした。

新しいバンドを組む時に「メンバーが集まらない…」という問題を抱えがちな中でこのスピード感で集まってくれたこと、そして改めてEmuのこと、Emuが10年間活動してきたから培われた音楽的な関係があって、ZOOZが結成できたことへの感謝の気持ちがずっとあった。

 (アー写です。撮影:ROUX)

そして水面下で動き出したZOOZ。実際にスタジオに入って曲を作っていくと、面白いことに気づきました。

ZOOZが作る曲は「ポストパンク・リヴァイバル」というよりかは、そのジャンル及び周辺ジャンルが内包する2000年代後半〜10年代の時代の色、勢い、成熟、そして停滞も含め全て再解釈し再構築された、名付けるならば「ポストパンク・リヴァイバル・リヴァイバル」というべき音楽であるということ。これは非常に痛快。

「ポストパンク・リヴァイバル・リヴァイバル」という言葉は上述した初めてこの4人で集まって飲みに行った時に、ジョーザキくんが発した言葉(僕もぼんやりとこの言葉自体は考えていたからジョーザキくんが発したことでとても驚いた)だったけれど、まさしくその通りの現象が起きている気がしています。

途中に書いたけれど、「ジャンルを自分のフィルターに通してアウトプットした時に放出されるオリジナリティ」をこのバンドで追求できるのはないかと思って、とてもわくわくしています。

そしてかつてポストパンクが再解釈されて「ポストパンク・リヴァイバル」が生まれたように、ポストパンク・リヴァイバルを再解釈して「ポストパンク・リヴァイバル・リヴァイバル」を生み出す。これを極東の日本から発信できたらすごく面白いんじゃないかとも考えています。

まぁ、頭でっかちになるのも嫌なので、単純にこれまでの音楽経験を経て自分が良いと思う音楽を鳴らすことができたら楽しいなって思っています。そのために集まったメンバー、そしてそんな単純なことに愚直に努力できるバンドだと思っています。新たにバチバチ音楽を発信していきます。

(ZOOZのレコーディング時に撮影&録音した『Wonder World』という曲です。)

 (同じくレコーディング時に撮影&録音した『Freakstew』という曲です。)

(Hidden Place -recording studio-というところで録ったんだけど、音も、周りの環境も、スタジオも、人も最高だった。)

今後とも音楽を中心に交わっていきましょう。

ただ、今までEmuのことを気にしてくれていた方で、ZOOZがあんまり合わないな、と感じるなら、変に気にせず、自分の感性を信じたほうが絶対に素敵だと思います。自分の感性を信じたほうが、素敵な出会いが多い。

ビートを刻んでいる人間は同じですが、EmuはEmuだし、ZOOZはZOOZです。

同情で見るなら、他の素敵な音楽を見つけたほうが良いな、と思います。

そのくらい気軽にいたほうが、精神的に良いと思います。

ZOOZもこれからもっともっと磨いていくので、また一致した瞬間がきたときに、気にしてくれると嬉しいなと。

近い内に、他の曲も発表されます。バチバチじゃん。いいじゃん。音楽で、ライブで納得できるものを沢山発信していけたらと思います。あー楽しみ。

これからも、Emu sickSと、新しく始めるZOOZをよろしくね。

16ビートはやお


 
 
 

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